2012年1月31日火曜日

組み立て

TVボード組み立て。


仕上げにしっかり時間を割いて。

まずは側と棚の組み込み。留めの仕口を、木口に垂直にしなかったのはこうやって分割して組めるようにするため。



そして全体の組み込み。
無垢材はかなりしっかり圧締しないと。



接着剤ははみ出すくらい。始末が面倒だけど、しっかりのりをつけて。







ところで、読書が好きで、2カ月に一つくらいは時間を作って小説を読む。
今回は、船戸与一の「蝦夷地別件」。

すごい小説だった。最近読んだものたちと別格。
まだ咀嚼しきれていないけど。衝撃。圧倒された。寝込んでしまいそうだ。
頭の中が揺さぶられている。

作者には思わず畏怖してしまう。
面白いとか、そんな生易しいものではなかった。



何かお勧めの本があったら教えてください。

2012年1月30日月曜日

無垢材加工中

板はぎしていたTVボードの加工。

側と天板は大留め。


仕口。45度にカットした切断面に垂直に仕口を作ると、全てを一気に組みこまないと組めない。
たぶん、上手くいかない。そこで、材の稜線にそって仕口を入れる。
斜めにカットしてからだと刃物が逃げるから、まずまっすぐにカット。

そして仕口加工。ダボ。



先に面取り。大きくて重い部材のときは、人が動いた方がよい。
ハンドルーターで。


いよいよ大留めにカット。
この角度は重要。試し材をぐるっと切って枠にする。
こうやって見ると、どこか一か所に誤差が集まるから精度が増す。




鋸の角度を調整してはまた切って確認。


材の先を基準にして留めのカット。

カットしたら、天板の裏の、側と側の間に合わせて棚板を切る。
家具作りの考え方の一つは、図面の寸法、数字で作っていくというよりは、実際の材にあてたり、基準面からの入りなどに合わせて製作していく。


加工を進めて。
全ての穴は鉛筆で墨付けして、手で開けていく。

木の肌触り、臭い、心地良い。



2012年1月28日土曜日

同級生

同級生が来旭した。社員旅行が旭川へスキー旅行なのだそうだが、彼女はスキーをしないということで、この機会に家具センターと工場を案内した。

彼女とは小、中、高と一緒で、高校では部活も一緒だった。
だけどそんなに話をしたりと親しくしていたわけではないのは、ただ僕が幼くて異性との接し方が分からなかっただけだろう。

移動の道中、沢山の懐かしい名前が出てきて激しく郷愁にかられる。

もう10数年も会っていない友人たちに、今なら家具職人として誇りをもって会える。
そしてできることなら彼らのために家具を作りたいと思った。
幼馴染が家具職人なんて、ある意味特権だ。

茅ケ崎で、凱旋展示会を開きたい。

2012年1月27日金曜日

木取り

静岡にゆくTVボードの木取り。


すごい板。素晴らしいものを入れてもらった。
厚みもあるから重い重い。

これから、板を見ながら材を切り出していく。無駄のないように、美しく仕上がるように。



そして板はぎ。

ここまでが今回の作業の一番重要なところ。
どんなに上手く丁寧に作っても、材以上にはならないから。

重たいし扱うの大変だけど、やっぱり無垢材は楽しいな。



2012年1月26日木曜日

2012年1月25日水曜日

建築家住宅に

少し前だけど。

静岡に発送させて頂いたお宅は、建築家による設計の住宅。
その建築士事務所のブログ。


http://atlkashi.exblog.jp/17337828/#17337828_1



静岡まで嫁いで行った僕の家具達が。
こんな素敵な住宅だなんて、なんてシアワセ。


家具も嬉しそうだが、僕自身もとても嬉しい。

なんとこのお客さんは、家具を探しにはるばる旭川まで来てくれたのだ。
そして家具センターに行き、沢山の家具の中から、搬入用エレベーターそばの隅に隠れているGAUZY CALM WORKSの家具を選んでくれた。

そして、せっかくだからと夜になってしまったにも関わらず、お会いすることができて。

実は僕もその日、実家の茅ケ崎から帰ったばかりで。飛行機で切った携帯の電源を入れたら、家具センターから沢山の不在着信があり。

その日はとても寒いだったのに、作り手に会ってみたいとおっしゃっていたとの連絡。
僕も、できる限りお客さんに会ってから製作したい。

最近はよく、生産者の情報を公開し、消費者に安心してもらう取り組みが多いが。
しかし、作り手にとっても、お客さんに会うと安心するし、製作により気持ちが入るもの。



こんな素敵な感性を持った方に選んでもらった事は、とても光栄だ。
そして追加で、TVボードの発注も頂いた。

本当にありがとうございます。



ところで不思議なこと。
前回ダイニングセットを納めた新築のお客さんも、今回のお客さんも、自宅の電気工事をご自分でしたそうだ。
2件続けてなんて、そんなこともあるんだなと思ってしまった。

2012年1月20日金曜日

木材って

HOMESさんのベッド。

今回は全部ウォールナット。




今回もカットで材を購入。


少し製材の事。

たとえば、ベッドのサイドレール。長さが2メートルもある。
製材は一般的に、厚みが決まっている。今回は34ミリを使うのだけど、34っていうのは、丸太を挽いた時の寸法。乾燥をかけて収縮しているし、乾燥の際の狂いで反ったりしている。
それを鉋盤で削って平らにするのだが、だいたい27ミリに仕上げるのがいいところ。

つまり、7ミリは粉にするってこと。厚みを決めるだけで、実に20パーセントも削らなくてはいけないのだ。



手押し鉋盤だけでもこの屑。


さて、もう少し計算。
サイドレールは2000×120×27。
使った製材は、たぶん2400×150×34くらい。

なんと歩留まり53パーセント。
半分近くが木取りで消失するのだ。

よく、端材利用なんて言うけど、300以下のものはほとんど使わない。
機械を通すのにも長さが無いと危険なのだ。


そもそもとても高級な木材。木材は、体積で金額を計算するのだが。
今回のサイドレール一本の場合。厚みの他にも、もちろん削りしろと切りしろ分として幅も長さも仕上がりよりも長くして買っている。


さて、計算。
買った木材を使う寸法に削り込むと、サイドレール一本で1200円分以上も粉にしなくてはいけないのだ。
高価になるのは当然だ。


ちなみに、たとえば椅子などは、加工中に欠損してしまうことが多い。
天然木という事は、繊維が通っていてそれは均一ではない。だからどうしても、材によって繊維で剥離して飛んでしまったり、大きな逆目がでたり。思わぬ節が出てきたり。
旭川最大手の工場のハイテク機械でさえ、ものによっては3パーセント程度欠損するのだそう。つまりそれは、100脚生産するためには、103脚分以上をラインに流さなくてはいけないということ。


木工業界の不効率は、もはや宿命なのだ。
そして木材で作るものが高価になってしまうのも、ある程度は仕方がないことなのだ。

だから、そうやってモノを作るからには、すぐに壊れないように、長く使えるように作らないといけない。長くこの世に存在するのだから、美しい形状でなくてはいけない。
そして、使い捨てないように、長く使うように大切に使用しなくてはいけない。

理解し合って良いものを作り続けよう。







2012年1月18日水曜日

TPホルダー 生産

以前製作して気に入っていたトイレットペーパーホルダーを、少し数をまとめて製作した。








実は、前回製作の時のブログ記事を見て発注してくれた方がいて。
ウォールナットとチェリーの2種でいこうと思っていたけど、その方の希望でホワイトアッシュも製作。
それが思いのほか感じ良く、ホワイトアッシュもラインナップに加えることに。


さて、残りはまだ組んだまま。がんばって仕上げよう。



2012年1月17日火曜日

一休み

年明けからずっとハードワーク。

それもなんとか一休み。今日はもう帰って娘をお風呂に入れようかな。



ホームページを更新。
http://gauzycalm.com/cn18/cn31/pg365.html

2012年1月16日月曜日

センターテーブル

今日、静岡に向けて出荷したセンターテーブル。

の詳細。


以前、チェリーで製作したものの樹種、寸法違い。今回はナラ、着色。
細さ、面の周り方。自分でも気に入っているディテール。



2012年1月11日水曜日

イス 組み立て

HOUJIの組み立て。
静岡に嫁いでゆく椅子。


訪ねてきた仲間が作業を撮影してくれた。

ほぞ穴の中の仕上げ
エアで屑を飛ばし
接着剤を。コニシSH-20
オス、メスともに塗布
おなじみのり坪、ダルマ
僕はショックレスハンマーが好き
端金で圧締
のりの拭き取り
ポットを電気バケツ状態に
拭き取りはかなりの手間。
脚モノは強度が何より大事。のりははみ出すくらいに。

ちなみに、作業効率を考えたら、のりを少なくしてはみ出さないようにする方が圧倒的に早い。
こんなことは、仕上がったしまったら見た目には全く分からない。

オイルフィニッシュもそう。僕は3回塗るけど、1回しか塗らない企業は多い。
何回塗ってもオイルフィニッシュ。

もちろんこれらの事は強度や塗装のもちに影響する。

ただ早く作業を進めたいのならば、作り手側のためのモノ作り。
見えなくなるところまで気を使うのならば、使い手のためのモノ作り。

それぞれ会社や個人の心意気次第。

2012年1月6日金曜日

チェリーのロングキャビネット

昨年のことだけど。
12月29日に、チェリーの3メートルの壁面キャビネットの取り付けをし、TVボードも一緒に納めた。

箱が3000、天板が3400弱。
横方向を意識して。木目も横目で、天板を飛び出させることで横の広がりを強調。
3000のツキ板は手配できなかったが、しっかりと木目を通したくて、真ん中から、1500で開くように、ブックマッチでツキ板を貼ってもらった。
キャビネット本体も、奥行き320。家具屋ならばみんな嫌がる奥行き。ベニヤは幅920だから、歩留まりが悪いのだ。
しかし、全部カット寸法での特寸貼り。細かく対応してくれる業者がいるのだ。実際にツキ板を見ながら、どう貼るか、どこを使うか打ち合わせをして。
後方支援してくれる会社があるからこそ、旭川では良い家具作りをしやすい。
ちなみに、「きわめ商会」という会社。興味のある木工関係者は、ぜひ一度問い合わせてみてほしい。





厚み35、長さ3400弱の天板。素晴らしい、羨ましい。





同じくチェリーのTVボード。






内側を削いで軽快と表情を。キャビネットと同じ形状。
ちなみに、僕のオリジナルチェア「HOUJI」の後ろ足の削ぎと同じ角度。



チェリーは、今はまだ柔らかい色だけど、日に焼けると濃い飴いろに。
その感じが僕は大好き。



今回は新築のお宅に納めさせて頂いた。
入居前にお話を頂いたのだが、非常に過密スケジュールということもあって、しばらくは不便でもそのままでとお願いした。
実は、図面や施工中の家を見てもなかなかイメージしにくいもの。実際にしばらく住んでみてから、家具を設えた方が使いやすいものになりやすい。
今回も、最初は窓右側には高さ2000位のトールキャビネットを、また向かいの壁一面にも収納を、とのお話だった。

僕からトールキャビネットはやめませんかと提案したのだが、やはりお客さん自身も必要ないかもと感じたそう。僕としては受注額が下がるけども、使い勝手も良く、部屋も広く見えて良かったと思う。





納品の後、お客さんにお茶をご馳走になりながらお話させてもらったのだが、とても心に残る話だった。僕の人生のテーマともいえる事。



お客さんは少し高齢のかたで、ご主人を亡くして娘さんのそばに引っ越してきた方。
ご夫婦ともとてもたくさん働いたそうで。
ずっと働き通しで、もう仕事やめて夫婦でゆっくりしようと決めた矢先にご主人は倒れたそう。

また、息子さんも、とても優秀でよく働く方だったそうだ。その息子さんが病気したのも働きすぎだろうと。

だから、僕たちに働きすぎるんじゃないよ、程々にしなさいって。そしてある程度で仕事は引退して、奥さんや家族とゆっくりすごしなさい。何の為に働くのか考えなさい。お金や財産を残しても何にもならないよって。



奇しくも息子さんは僕の父と同じ職業だった。

13歳の時に父が死んだとき、僕は仕事が殺したと感じた。
僕は父や祖父のように学業を修めて立派(?)になるんだとインプットされていた。

父の死で僕は解放されたけど、以来、僕は人生と仕事について、自分のシアワセについて、家族のシアワセについて考えることは命に関わることだった。

僕がいきいきと楽しく生きなければ、僕も家族もシアワセにはなれないと悟ったんだ。

だから、僕はものづくりの世界に入った。



2011年の仕事納めという節目の日に、こんな話を聞けて、改めてゆっくり考えることができたことは幸運なことだと思う。


ケガしたり体壊しそうだったり。しっかり省みないとな。


それにしてもよく思う。
然るべきお客さんに導かれているなと。




さあ、2012年もスタートだ。









2012年1月5日木曜日

お正月

お正月休み。

年明けも有難いことにとても忙しいのだけど、もうしっかり休むと決心して。



お正月気分を楽しんで。
可愛いな、うちの子たち。



ぷーっとして。


楽しそうに。




もうすぐ3才。
どんどん大きくなって。儚いくらいに大事な時間。
早く大きくなって欲しいような、ずっとこのままでいてほしいような。


何が大事か見極めながら、難しいこともあるけど。

今年も、全部を楽しく一生懸命。24時間全てを大事に燃やそう。

2012年1月2日月曜日

2012

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。



本当にあっという間に2011年は過ぎ去り。3月で創業満2年、いよいよ3年目に入る。
始めて3年間は勉強だと思っていた。
のんびりする気は無いけれど、焦ってもダメだと思っていた。効率や収益はあまり考えず、仕事自体を報酬と思って。仕事を積み重ねて、だけどそのたびに必ず何かを得て少しでも成長することを考えて。辛抱。今年もそのスタンスで、地道にしっかりと力を蓄える。

身近での援助や協力があって家具作りを継続させてもらえている。
僕に家具の製作を任せてくれる人がいるから、家具作りを継続することができる。

真摯に真っ直ぐ、良いものづくりを続ける事で応えていきたい。


2012年も身の丈に合わせて着実に歩みたい。