2011年10月31日月曜日

箱モノ準備中

そういえば、8月の末から、無垢材の脚モノばっかり作ってきた気がする。

そんななか、箱モノのオーダーも頂いていて。
本当に申し訳ないけども、納期を少し多く頂いたので、じっくりと頭の中で熟成させて。

この機会に、僕の箱モノのシリーズの原型にさせてもらうべく気合いも十分。


実は金物にかなりの気を使っている。

引き手やツマミも、そもそもあまり気に入るものが少なく。
カタログの写真じゃよくわからないし、家具産地旭川のくせに、実物を見れるところも無い。
だから気になったものは、まずは自分で全部買ってみないとわからない。

金物商社さんの履歴にも無い品物もあったとか。

木でつくる家具のポイントになる金物だから、やっぱりこだわりたい。
だけどあまり、それは木で作りたくはないんだ。

たとえば掘り込みの引き手。古い家具で、引き手のところだけ塗装がはげているのを見たことがあると思う。もしくは、なんとなく黒ずんでいる感じ。


さて、何を採用して、どう納めるか。
自分でも楽しみなんだ。

2011年10月30日日曜日

コンペ作品

コンペ出品作品の製作は、目標どおりなんとか金曜日に終わった。
といっても深夜2時前。

今回は籐を使ってみた。
僕は籐が好きで、去年にはもう仕入れてあったのだが。

その籐張りで時間がかかってしまって。


さて、これで何とか間に合った感じ。
人に評価されるのはとてもコワいこと。
一生懸命やったから、良くない結果には素直に落ち込むだろうな。

さて、結果を楽しみに、明日からまた仕事を頑張ろう。

2011年10月28日金曜日

挑戦

クラフトコンペに挑戦。
10月中に、すこし時間をかけてやろうと思っていたのだが。

今日一日でと思っていたが、午前中に納品に行ったりで午後スタート。

全く進んでいなかったから、図面をひくところから。
あまりCADが得意ではないのと、スツールだしということで手描きで。
頭の中でずっと構想があったものだから、割と設計はスムーズに。

そしていつもの様に、ツーバイ材で原寸モデルの製作。

やはり立体にしてみないと。
デザイナーさんみたいに頭の中だけで進められないし、3Dのグラフィックも描けないけど、
実際に加工してすぐにカタチにして見れるのが僕の強み。


そのモデルを、もうすこし小さくしてみたり、削ってみたり。
大きな面をとってみたり、シャープな面をとってみたり。

全部見て検討し、確認していく。


なんとか明日中に完成させなくては。

2011年10月25日火曜日

ベッド

ベッドの製作終了。

塗装中。
やっぱり無垢材はいいね。

このベッドは、旭川のHOMESさんと一緒に開発した製品。1ロット4台で、今回が2回目。
ウォールナットとチェリー。チェリーで作ってみたくてお願いしてみたら、じゃあ1台はチェリーにしてみようかってことになって。


さて、今月はあともうわずかだけど、やりたいことがまだ沢山。
こんなに忙しいなんて、本当に有難いことだ。

2011年10月21日金曜日

杉のテーブル

モノクラフトのテーブルを、天板は杉で製作した。

国産の杉、3枚はぎで。
思っていたよりずっと良い。並べて材を見た途端に猛烈に気合いが入った。


こいつに吸いつき桟を。Bacana原くんにハンドルーターを借りて。

ちなみに同じマキタなのに、年式でベースの大きさが10ミリ違うとか。危うく失敗するところだったぜ。



まずはストレートで荒加工。

次にアリビットで。


定規をずらして幅を広げる。
ところでこの定規は、自分で墨して固定するのだがこの加工はかなり精度が必要。
集中力が高まると、スケールの一ミリを10等分に分けて見れるようになる僕。精度よく加工できているはずだ。

この溝の幅は、奥に行くにつれて3ミリ狭くなっている。締まり勾配をつけることによってがっちり締まる。


オスの加工。

何度も嵌め合いを確認しながら少しずつ削って。手で入れてどこまで入る程度のきつさにするかが大事。最後は玄翁でぶったたいて入れるのだが、ゆるいと意味ないし、きつくて最後まで行かないとマズイ。簡単には抜けないのだ。それでも端がねとか使って無理して突っ込むと、天板におかしな歪みが出てしまう。
経験が必要なところ。いずれにしても、一度それぞれ失敗しないと覚えられないのがこの職業。


ね、ばっちり。
だけど、家具屋ならできて当然。なんせ僕らは、プロの木工プレーヤー。毎日毎日、木工やってるのだ。

ところで今回は、この吸いつき桟が木口にとても近い。だからって締めないわけにはいかないから、天板を長いまま加工、組み立てし、そのあとでカットする。



そうして完成したテーブル。



しかし本当にカッコいい。

直線的で、簡単に設計してると思うだろうか。

このテーブル。吸いつき桟に、組んだ脚を呼び込むという構造。
アリ溝を隠すように脚が納まる。これ見よがしにしないのだ。

その脚と天板の納まり。素晴らしい。シビれる。
この部分、ものすごくデザインされている。思考がつまっている。

そんな細部があって、調和のとれた全体。
なんて力強いデザイン。


モノクラフトさんは、同じアイテムでも毎回細かい変更などがある。作り手としては、思わず面倒に感じてしまいがち。だけどその姿勢に学ばなくてはいけないんだ。

それは、安易に満足せずに追及していくってこと。
もっと良くするためにはどうしよう、って発想。それで少し良くなったら、さらに良くするにはどうするって。

それが「デザイン」であり、技術と一緒だ。


ところで、「デザイン」とは何か、定義を自分なりに考えている。

「建設的思考」。数年前からこう定義している。意見があればぜひ。随時見直しているけど、今のところこれが僕の中では適当。


そういう考え方、そもそもそれだけ考えてるんだってこと。製品の製作を任せてもらうことで学ばせてもらっている。
自分にとって未知の素材を扱わせてもらったり、僕にとって理想に近いものづくり。

毎日、仕事が勉強だ。

2011年10月19日水曜日

カバ材

カバ材を。

厚さもまちまちだから、カットで購入。

色見を合わせづらくて、白と赤の濃淡が明瞭に出てしまうのが好みの分かれどころ。

北海道産。使うのも久々で楽しみにしていた。

これでテーブルの足回りを。
明日は杉を触れる。こちらもとても楽しみだ。

2011年10月18日火曜日

キッチンワゴン

寒くなった。今日は多めに火を焚いた。

さて、ようやく製作終了、塗装中。

東京のモノクラフトさんからの依頼。
ウォールナットのワゴン。



組み手があったり、天板がトレー状だったりと手間をかけて。この後、タイルを貼るそう。

昨日からやって、お客さんが来たりもあったけど、やっぱり一日じゃ終わらないね。

小家具って、サイズの割にどうしても割高な感じになってしまう。

2011年10月16日日曜日

おでん

コンビニで、おでんが70円均一だった昨日。

とうとうロゴなどを整備するために、デザイナーに事務所に来てもらった。

彼女は「くわがた」の編集、発行をしているウエダマサエ氏。

「くわがた」は、いま9号を編集中とのこと。とにかく、こうやって継続していくことがすごい。
いろいろとお願いし、グラフィック方面が整備されていくことにとてもワクワクしている。


お腹もすいたし、何か食べながらということでコンビニに寄ったら、おでんがお勧めの日で。
なんかお酒も飲みたくなってきて、日本酒とビールまで買い込み。

Bacana原くんと、旭川にきていた友人も来て事務所で楽しく。
くわがたさんは、じつはYo La Tengoが好きとか音楽の趣味も近く。
もともと家具メーカー出身で、デザインや建築に対する感度も僕より鋭く、きっといいものを制作してもらえると期待できる。

仲間と楽しく一生懸命仕事して表現していく。なんてシアワセなんだろう。

2011年10月14日金曜日

スツール製作中

スツールを製作。
この前納めたHOUJIチェアと合わせて使うということで。

発注頂いたのは4脚だけど、製作は10脚。
こういう小さいものは、数をまとめて製作しないと高額になりすぎてしまう。
まだちゃんと販売価格は出てないけど、なんとか1万円代ギリギリ、もしか2万円を少しはみ出るくらいに抑えたい。
そのためには、作り込みたい気持ちを抑えて最小限の加工で製作し、提供するという条件を自分でつけて設計した。
いずれにしても、大きな利益を期待できる品目ではないがアイテムとして必要なものだ。


組み立て直後。


スミ木の取り付け。これで強度が飛躍的に向上する。

たかが10脚といえど、スミ木は40個必要。
一個当たり、木ねじの穴を5個開けるから、200回穴を開けなくては。

だから取り付けも結構手間。160本の木ねじを打つのに、一本あたり10秒かかっても1600秒、30分近くもかかる。


そして仕上げたところ。
スタッキングも、5脚までできる。


最後にオイルフィニッシュ。
これは、ナラ材の着色シリーズにするから、カラーオイルで仕上げ。

納品するものは、カフェスペースで使用するものだから、汚れに強いビニールレザー張り。
他の在庫分も、とりあえず家具センターに展示する。
今も展示中のHOUJIと同じく、座のカラーをそれぞれ変えて。

最近は椅子張り屋さんが大忙しだが、できる限り早く張ってくれるとのこと。
楽しみだ。

2011年10月11日火曜日

旭川木工スクール

旭川木工スクールという名称で、工芸センターで椅子製作の実技講習会が。全7~8回の講座。


講師は、家具工房 木魂の服部さんと、工房 橅の中村さん。

僕も、いちおう椅子製作の経験はそれなりにあるが、せっかくの学べる機会だし、参加させてもらった。

それにしても、楽しい。
正規受講生10名と、見学者数名だが、久々に会う仲間も多いし。

その仲間たちで、実際に同じ図面を見ながら、ああだこうだと。
ジグ作りのちょっとしたテクニックだったり、便利な道具を披露したり。

沢山の企業に属する人が集まっているから、うちではこうだとかああだとか。

接着剤は何を使ってるかとか、どうやって塗ってるかとか。
ダボのきつさはどんなもんだとか、太さ長さは何が適当かとか。

NCのプロフェッショナルもいて、そっち方面の実際の話を聞けるのもうれしい。


本当に楽しいんだ。
あっという間に3時間くらいは過ぎてしまって。


もうすぐに10時くらいに。

でも、僕たち民間の業界人がこうやって勉強するのは当たり前。
それが、工芸センターで、職員の方々も大勢で対応してくれるなんて。

こんな恵まれた時間を過ごすことができるなんて、旭川だから。
とにかく熱心に学んで今後の仕事に生かすことで、この感謝を表したい。

2011年10月10日月曜日

アメリカ報告会

Bacana原くんが、アメリカに研修旅行に行き、その報告会をしてくれた。

十数名が集まり。
この旅は、カンデハウスの長原さんが、アメリカで工房作家が年に一度、力作を製作してオークションを開くというのを、旭川でも実現したいとの思いから企画されたもの。

昨年にも視察の話があったが、その時はもっと業界の上の人たちで行ったようだ。

それが、今年は旭川の若手を中心に視察に行こうと企画されたもの。
僕もとても悩んだが、やはり僕は、行くならヨーロッパを見たいと思い今回は留守番することに。


僕はドイツの見本市を視察に行ったことはあるのだが、今回はあちこちの工場、生産現場を見ることができたそうだ。その方が、ある意味勉強になる。


オークション自体は、確かにすごい代物が出品されているようだ。
最近、「魂の木工家具」なんて本が出ているが、その本の内容みたいな感じ。かなりアートに寄っている。

旭川での実現に向けて動いていくそうだが、やることになれば、当然僕も挑戦する。おそらくかなりの負担になると思うし、そもそも売れないと一円も入ってこないという話だが、売れようが売れまいが、好きに作って評価してもらえるなんて機会にはぜひ出ていきたい。

手間かけすぎてバカみたいな感じのもの、実はやってみたいことが沢山あるんだ。


それにしても、ぞっとするような話。
アメリカのどっかの工場は、工員30名ほど全てがベトナム人という会社があったそうだ。

旭川の業界にも、もっともっと留学生が来るべきだと思っているが、これはどんなもんか。
しかし、きっと日本もこんな時代がくるのだろう。

僕も、数年後にはスタッフを入れて規模を少しずつでも大きくしていきたいと思っているが、会社と従業員の関係というものをしっかりデザインしないといけないと思っている。その意味や、将来性をしっかりと見ていないと、安い労働力に流れてしまう。
ローカルにこだわってグローバルに活動することが目標の一つ。世の中のグローバル化に飲み込まれないように生きていきたい。

2011年10月7日金曜日

テーブル完成

しばらく苦戦したテーブルも製作完了。

まだデザイナーさんの発表前だから、一部詳細を。

このコマ入れの成型の脚もだけど、天板と足の納まりも大したもの。
天板下の大きな面が、ツラで納まった脚でゼロになるような造形。

オイル仕上げ。
割とみんなは、オイルではツヤ無しを希望するけど、今回はツヤ有りの希望。
リボスにはちゃんとツヤ出し用のオイルがある。

このウォールナット無垢材のテーブルのツヤ有りは、もう大変な存在感。
さっき来た資材屋さんの最初の一言

「うっわ、高そう」



自分じゃ絶対に書かないだろうデザイン。
だからこそ、こうやってデザイナーさんとのものつくりは楽しい。

なんせ、デザインで個性を出したいと思ってデザインされたデザイナーさんのプロダクトが、普通な訳がない。確実に苦労するのはわかっていても、それでも挑戦したくなってしまうし、完成した時の嬉しさは大きい。

できることだけ、やったことがあることだけやるなんて、ものづくりなのに全然クリエイティブじゃないじゃないか。


逃げずに挑戦、仕事を楽しむ。シアワセな毎日だ。

2011年10月6日木曜日

コマ入れ成型脚のテーブル

相当な苦戦をして。

画像が作業の途中からになっちゃったけど。
先日のコマ入れ成型の脚が、テーブルの角に45度に傾いてツラで納まる。
金物でジョイントするから、先に金具を仕込んでそれぞれに番号を振って仮組みし、カットする墨を引く。

カットは、大きな天板を機械に載せるのも大変だから、手鋸で。下手に機械を用意してどうこうよりも絶対早い。


ごく一般的なレッグジョイント。


天板裏に大きな面を取る指示だけど、脚の根元でゼロにするということ。
図面じゃ詳細も不明で、サンプルの提供もないから自分で検討。

端材を実際に削ってみて確認する。やはり原寸モデルでの確認が必須。おそらくはデザイナーさんも曖昧だと思う。
ちなみに、たとえ刃物を作ってNCで加工しても、図面のようには加工できない。何度もNCを通すか、結局手加工するか、どちらにしてもコストダウンが難しい。


モデルで確認し、実際に加工を。
特殊で大きな面だから、加工が大変。刃物を作っても、こんな大きな刃物をハンドルーターで回すなんてとっても危険。

ところで、僕らは危険とわかっていても、ヤルことは多い。商売道具の指を賭けることもある商売。

話戻って。
写真は試しの測定材。小さな刃物を、墨に合わせてセットし、実物を加工する。


機械の刃物の深さと、木端面からの距離をいちいち合わせながら、何度も何度も通す。


うまいもんでしょ。
決して難しいことではないし、家具屋ならだれでもやれるだろうけど、実際やったことがある人はそんなに多くないのでは。

これを実際の天板にうつして。
機械でやれるぎりぎりで加工を止めている。

ということは、残すところ手加工。

で、加工を終えたところ。
この面が逃げていくところは、面のアール自体が変化していくから単一の刃物じゃ加工できないのだ。

こうやって荒く加工したものを、キレイに仕上げるのは莫大な労力。




表を向けたら、そんなに苦労の跡が見えないのが残念。

ところで、この天板がまた珍しい。
幅35ミリの一本モノを24本矧ぎ合わせ。相当な手間で特注の集成だから、かなり高価。

面白い表現だと思う。


さあ、後は塗装だ。

2011年10月5日水曜日

新スツール

スツールを製作した。


HOUJI 5とセットでの使用を考えて。
とても悩んだ。

もっともっと手をかけたくなっちゃうけど、それで高価になることをお客さんは喜ばないだろう。
とにかくシンプルに考えて。


ちなみにこのサンプルの座は、エゾシカの本革。そして北海道産ナラ材。

2011年10月3日月曜日

コマ入れ成型

札幌のデザイナーさんの仕事。

ちょっとしたコマ入れ成型。
ウォールナット部は、片側4枚の引き板を。

とがった先端をつけるのは至難。
一枚じゃ無理?って、デザイナーさん。
20ミリもの板が、こんな急に曲がらないでしょう。


せっかくなので、なんとか厚い板を手配して。
メープルの厚板。
ウォールナットは、一枚の板を番号振って割いて、また順番通りに積層。同じ木だから、積層のあとが目立ちにくい。
割くために鋸を入れるから、鋸の厚みと鋸を入れた回数の積の分はすべて粉に。割った後も、鉋盤で厚みを決める。
歩留まりが非常に悪く、手間もすごいから、とても高級な加工だ。

2011年10月1日土曜日

いつの間にか10月

もう10月。

急げば急ぐほど、時間は早く過ぎていくようだ。
9月はずっと体調が悪くて、まだ全快しない。

そんな中、展示会の準備やソファの製作、かなりの難しい椅子、そしてまた椅子と、今月は全て脚モノの製作。どれも全速で走った。


もう最後、昨日か一昨日くらいには疲労でか、立っていられなくて座りこむくらい。


それも無事、すべて終わって。


さて、少し休んで次だな。